新型コロナウイルスの感染拡大は、様々な業種に打撃を与えました。特に、観光業への打撃は大きく、土産物として菓子類を卸していた菓子店には直接的な影響がありました。また、外出自粛の生活様式の浸透で、イベント自粛の影響も菓子店には大きな影響を与えました。そのなかで、巣ごもり需要の伸びに関係する菓子店は需要を拡大しましたが、菓子店全体としては大きく需要を減少させたことになります。
コロナ禍で減収した菓子店は、巣ごもり需要を伸ばした菓子類を販売しているお店以外です。特に減収が著しかったのは、駅、行楽地、観光地、百貨店に出店している菓子屋です。海外からの観光客の停止でインバウンド需要がなくなり、外出自粛の生活様式で人が集まる駅や百貨店などでの買い物客も激減したことによると考えられます。
コロナ禍で増収したのは、巣ごもり需要の影響で地域に根差した営業をしている菓子店や、自宅で手軽に食べることができるチョコレートなどの菓子類を販売している菓子屋です。しかし、菓子業界全体では増収した菓子店は少数であるのが実情です。
いわゆるウイズコロナの時代では、在宅ワークの導入や飲み会を控える生活様式が浸透していきました。しかし、こうした家にいることが長くなる生活様式でも、人々は憩いを求めるものです。
結果として、手軽に食べられる菓子や催事系のケーキが売り上げを伸ばしています。その需要を掘り起こすことができる菓子店は増収傾向にあるといえます。
感染拡大が終息したアフターコロナではどうなるでしょうか?アフターコロナで観光業やイベントの開催は増えていくでしょうが、在宅ワークのなどの仕組みはさらに浸透していくでしょう。そのため、菓子店の周囲の状況も大きく変わり得ると考えられます。
どういった人にどの菓子を提供し、利益をいくらくらい出すかについて、再度検討することが必要です。事業計画を見直し、売り先や売り方を変化させ、アフターコロナの時代に柔軟に対応できる菓子店が生き残るといえるでしょう。
新型コロナウイルスの感染拡大で、街や観光地から人が消え、菓子店も売上を大きく落とした時期がありました。こうした中で、事業計画を見直し、不要なコストを削減し、新たな販路開拓のために新商品を開発した菓子店もあります。菓子店経営者にとって、試練ではありましたが、アフターコロナに向けて改革している菓子店は、今後も持続していくでしょう。
菓子店は決して利益率が高い商品を販売しているとはいえません。そもそもの原価率が高く、人件費も大きく落とせないためです。
そこで、菓子の利益率を上げるために高付加価値商品の開発を行うのも1つの方法です。例えば、フードプリンターを活用して、顧客が希望する写真や文字を印刷することで高付加価値商品を開発して、菓子の利益率アップで、コロナ禍を打開することもよいでしょう。