食品にイラストや文字をプリントする「フードプリンター」。使用に関して資格や免許が必要なのか調べました。
フードプリンターを取り扱うための資格は不要です。機械自体は複雑なデータ入力作業や整備が必要なものではなく、パソコンを扱える程度の知識があれば問題なく利用できます。
ただし、食品加工に関わることなので、利用する場面によっては次のような注意が必要です。
製造の有無や事業規模にかかわらず、自家用以外の食品取り扱いに関しては、食の安全を守るために規定された「食品衛生法」を守る必要があります。
これから製造業を始めるという方なら当然クリアしておくべき項目です。しかし「製造はせず仕入れて販売するだけ」という場合でも許可が必要になることも。所管の保健所に詳細を確認しておくとよいでしょう。
まずは事業場を所管する保健所に対し、営業許可申請または保健所に対する届け出が必要です。2021年6月1日より、新たな営業許可制度がスタート。原則としてすべての営業者にHACCPに沿った衛生管理が求められることになりました(※)。
特筆したい点は、営業許可が必要ない業種でも届け出は必要になっているという点です。商品開発段階で試食イベントを開きたいといった場合でも、食品を取り扱う旨を保健所に申請しておく必要があります。
製造した料理や菓子などを販売するなら、事業開始前には必ず食品衛生法上の営業許可申請が必要です。ただし、製造するだけなら不要。例えば料理教室で技術を教え、生徒が作ったものをその場で食べるなら、技術の提供ということで許可は必要ありません(食品取扱に関する届け出は必要)。ただし、成果物を持ち帰る場合は「製造業許可」、講師が作った料理を別料金で提供するなら「飲食店営業許可」が必要になります(※)。
事業スタート時点と形態が変わるなら、都度申請や届け出が必要です。保健所への確認・申請は怠らないようにしましょう。
フードプリンターで画像や文字などを食品に印刷する行為は、私的使用の範囲なら違法ではありません。ケーキ店に「子どもの誕生日用に」とキャラクターをプリントケーキを注文する場合、依頼者にとっては私的使用ですが、ケーキ店は販売物に加工することになり、著作権侵害の対象になります。
フードプリンターと著作権に関しては、次のページにもまとめました。
フードプリンターを使用する前に知っておくべき著作権についてチェック!
フードプリンター自体に資格や免許はいらないものの、扱うものが食品なので、守るべき法律は多岐にわたります。製造過程でフードプリンターを導入するなら、大々的に販売できるように食品衛生法や著作権法といった法令を遵守することが大切。顧客に喜ばれる料理やお菓子などを提供するために、フードプリンターでオリジナリティを追求していきましょう。